見習い催眠術師の「きまぐれさいみん日記」

「イルカがいるよ」

最近の見習いは、どうもマッサージ師もどきになってしまっている感じがする今日この頃・・・
暗示をかけては、疲れが取れるー、リラックスするー、肩こりがなくなるー、腰痛が軽くなるー、頭痛が生理痛が・・・

うーん、もっと夢のある楽しい催眠誘導路線に戻さなければだめだ！
でも、嫌いじゃないんですよ。気持ちよさそうな顔が見られるから・・・
というわけで、夢をテーマに少しがんばってみよう！

今回は、インターネットで知り合った方が、2人催眠誘導を体験したいと協力を名乗りあげてくれました。
勇気あるなー、でも期待にこたえて楽しい夢を見てもらわなくちゃね
とりあえず初顔合わせなので、インターネットの話や催眠誘導についてどう思っているかなどを話しながら、少しずつ雰囲気も和んできたところで、はじめます。

2人とも被験性はまずまずです。
そうこなくっちゃね。せっかく来てもらってもかからないのでは、話しかできないよ。
笑ってごまかすにしても、何しに来たのか分からなくなってしまうから。

次は、腕が動かない暗示、これも難なく成功
電車に乗って体が揺れる暗示、これも成功
階段を使って、深層催眠へと誘導します。

さあ、これからですよ。
この日の為に、考えておいた夢の暗示です。
このときは、2人同時にかけました。
いっしょに同じ夢を見てもらおうという企画、というより一回で済むから楽チンだから・・・

３つ数えます。
3つ数えると、南の島です。
３・２・１、はい、南の島に居ますよ

そこは、青い空、エメラルドグリーンの海、白い砂浜、とてもきれいな南の島です
今日は、会社を休んで南の島で楽しい休日です
さざなみが聞こえています

とっても、リラックスしていますよ
気持ちいい暖かさです
砂浜をゆっくり散歩しましょう
波打ち際を歩きます
気持ちいい波が、足元に打ち寄せます

散歩を続けていると、海のほうに白いイルカが見えますよ
イルカを指さしてみましょう

2人ともゆっくり指を指しています。
しっかり、イルカがイメージできているのが確認できます。

イルカがあなたのほうに泳いで来ましたよ
あなたも腰まで海に入って、イルカと遊びましょう
ほら、あなたのそばでイルカが遊んでいますよ
近くに来たので頭をなでてあげましょう

2人とも頭をなでるしぐさをしています。
表情がやさしくなったのが分かります。

イルカが帰って行きますよ
さよならしましょう

2人とも､ちゃんとイルカに手を振っています。
とってもいい感じです。
本当はここまでしか予定して今買ったのですが、かかりがいいのでアドリブで続きをすることにしました。

さあ、散歩を続けましょう
向こうのほうに、あなたに手を振っている人が居ますよ
あれはあなたの好きな人ですよ
あなたも手を振りましょう

突然、一人が誘導とは違った反応をしました。
手を振るどころか、握り締めています。
顔も難しい表情に変わりました。

もう一人のほうは、嬉しそうに手を振っています。
とりあえず続けることにしました。

あなたの好きな人が、あなたに向かって走ってきます
あなたも走って迎えましょう
あなたの好きな人が、直ぐそばに居ますよ
彼があなたの手を握ってきました
そのまま、彼と一緒に散歩を続けます

もう一人の方が気になるので、ここらで暗示を解くことにしました。
さっきから、難しい表情のままです。ちょっと心配。

さあ、楽しい休日は終わりです
3つ数えると元の世界へ戻ります
３・２・１、起きて！

早速、2人に感想を聞きました。
まずは、最後までイメージが出来ていたほうから・・・
海の水は冷たかったよ。イルカがとってもかわいかった。
すごく素敵な彼でした。私の知っている人です。
なんか、不思議な感じ？

途中で、反応が変わったほうに効いてみると・・・
途中までは、気持ちよかったのに
今好きな人居ないのよねー
別れたばっかりだし、好きな人の顔が浮かんでこないのよ

これは、大失敗！
そんなことがあるとは、なんて配慮の足りない暗示だろうか。
だから、あんな反応をしたんだな！
よかれと思ってしたのに、最後にやな感じを残してしまいました。
これは、大いに反省しなければ・・・

どうして、好きな芸能人とかあこがれの人とか思いつかないのだろう？
見習いは、好きな人といえばどちらかかと思っていたのが、あさはかでした。

でも、指をさしたり、頭をなでるしぐさ、バイバイと手を振ることで、途中のかかり具合がはかれるので、使えそうな暗示だなとは思いました。
もう少し、内容を工夫してみることにしましょう。
いやー勉強になるなー