「テーブルの向こうで」

3人目にいきますか。
あれれ、テーブルの向こう側に、かけてもいないのに、かかっちゃってる子がいるぞ。

おっと、それはEriさんです。
うーん、一瞬、酔っ払ってるせいかと思いましたが、いやいや見習いの言葉に反応してかかってしまっているようです。
とはいえ、直接Eriさんに誘導しているの訳ではないので、眠ったりしてはいませんが、かかりかけているのは判りました。

どうして判るのかって、それは見習いに非常に意識を集中させていること(もてているのではない、残念ながら)、後は目つきかな?
なんともあいまいな説明ですが、言葉で明確に説明できる感じというより、かかってるなと十分感じられるのです。
その場の雰囲気とか。

そこで、これまた手順を大幅に省き、かけてみることにしました。
広いテーブル越しで、距離があったので、声をかけずらかったのですが、あえて近くに行かずそのまま誘導し始めました。

こっちを見て(手のひらを彼女に向ける)
3つ数えます
3つ数えると、ゆっくり目を閉じますよ
3・2・1、目を閉じて!

その瞬間、全身の力が一瞬で抜けて、テーブルに額をぶつけそうになりました。
テーブルにぶつけるより早く、見習いの手が、彼女の頭を支えました。
一瞬遅れれば、たんこぶが出来て暗示から覚めるという、最悪の事態を間逃れました。
ふー、危ないとこでした。

きっと、Eriさんは、Atsuさんのかかり方を目の前で見ていたので、同じ反応をしたのではないかと、思いました。
そうでなければ、眠っただけで全身の力が、あんなに抜ける人が6人中2人もいるはずがないと考えました。

しかし、真横にいて頭を支えるのでさえ、力が要るのにテーブル越しでは、支えるのは辛すぎます。
いったん起こして、横に行ってかけることにしました。
こんなにかかりが良いのは、初めてですね。

さて、何かリクエストはありませんかと聞いたところ、楽しい夢を見たいとのこと。
家に戻って寝たときに、楽しい夢を見せてほしいとは、ちょっと難しい注文でしたが、深くかかりそうだったので、挑戦してみることにしました。
とは言った物の、後催眠暗示を家に帰った後でも効いている様にするのはまだやったことはなかったですし、実際の睡眠中の夢に、暗示の効果を与えられることは聞いた事はありましたが、どこまでできることやら・・・
ま、とにかくやってみるしか確認する方法がありませんから・・・

ご機嫌五人衆 「眠って」声をかけると一瞬にして眠りに入ります。
階段を降りるイメージを使って、深層催眠へと誘導します。

あなたが、今日帰ってベッドに横になると気持ちよく眠りには入れます
とてもリラックスできて、心地よく睡眠できますよ
深い眠りの中で、だんだん楽しいことが浮かんできます
あなたの好きな男性が現れ、あなたと一緒に、どこにでも行ってくれますよ
あなたが行きたいと思う場所で、思った通りの楽しい事がで来ますよ
(ちょっと、暗示が抽象的すぎるかな?)

見習い「楽しい夢が見れそうですか?」
Eri「はい」と軽くうなずく

そのあと、暗示をしっかり覚えるように伝えて、起こしました。
目を覚ました後、どんな感じだったか尋ねると、ポーっとしていて反応があまりなかった。
目覚めが、悪いらしい。
かかってはいると思ったが、睡眠中の夢にまで後催眠暗示が続くかはわからなかった。
とりあえず、今日はきっと良い夢が見られるぞといって終わりにします。

次の日、聞いた話ではどうやら失敗だったようです。

後で聞いた話ですが、睡眠中の夢のほとんどは悪夢なんだそうです。
それはなぜかというと、普段起きている時のストレスを、睡眠中の夢の中で、悪夢として処理をすることでストレスを減らしているとの事。
確かに睡眠中ならば顕在意識はなくなり、深層意識に暗示をかけた後催眠暗示が効きそうな理屈も通りそうですが、うーん、難しいね人の心の中は・・・

また今度、挑戦してみることにしよーっと


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