「ダース・ベイダーじゃないもん」

スター・ウォーズが、公開されましたね。
先行ロードショーも行くには行ったんですが、あまりの並び方にあきらめて帰って きてしまいました。
そのうち見に行くことにします。

さて、今回は私の妹分であるNoriが、被験者になってくれました。
まずは、いつものように被験性を調べます。

あなたの後ろに、男性が立っています
私が3つ数えると、その男性があなたを後ろに引っ張ります
3・2・1

nori Noriは、すーと、後ろに倒れます。
今回も、 いけそうだな。
早速、催眠誘導を始めましょう。

私の手を見て
手のひらを見ていると、だんだんぼやけてきます
まぶたが、重たくなってきます
3つ数えると、ゆっくり目を閉じます
3・2・1目をつぶって

3つ数えると、体が左右にゆれる
3・2・1、体が左右にゆれます
体が左右にゆれ始めます。

3つ数えると、前後に変わります
3・2・1、前後にゆれます
体の力を抜いて、リラックスしましょう

とその時、Noriは突然目を覚ました。

私かかってるよ
体がゆれたのわかるもん

とってもうれしそうに、はしゃいでいます。

確かに体はゆれていた。
確かにかかっていたはずなのに?
どうして途中で、目を覚ますの?

誘導の途中で、勝手に目を覚ますとは、いったいどういう事なのか?
本人は、かかったと大喜びだが、見習いとしては、どこかふに落ちない。

解けてしまったものは、仕方がない。
もう一度、かけなおしましょう。
いったん、深呼吸させてから、もう一度、深層催眠めざしかけてみます。

3つ数えると、眠くなるよ
3・2・1、深い眠りに入る
目の前に、下向きに階段が10段あります
下まで降りると、深い催眠に入ります
10・9・8・7・6・5・4・3・2・1
体の力が抜けて、とてもリラックスします

さて、今度はかかりが良さそうなので、暗示をかけましょう。
自分の名前を忘れる暗示です。
・・・省略・・・
3つ数えると、目が覚めます
1・2・3、起きて!

見習い「どんな感じだった?」
Nori 「気持ちよかったよ」
見習い「内容は全部覚えてる?」
Nori 「うん」
見習い「始めはなんて言ってた?」
Nori 「階段降りた」
見習い「何段降りた?」
Nori 「5段ぐらい?」
見習い「後は?」
Nori 「階段上った」
見習い「何段あった?」
Nori 「5段だよ」
見習い「体はどんな感じ?」
Nori 「えー、とっても軽いよ」

よ〜く、かかってる。
ちゃんと健忘の状態も確認できる。
とってもいい感じだぞ。
こんなにかかったら、きっと気持ちいいだろうな。
深層催眠まで、かかると特に暗示を与えなくても、気分がすっきりすると言われていますから。

見習い「今まで、自分の名前を忘れたことありますか?」
Nori 「ないよ」
見習い「じゃ、あなたのお名前は?」
Nori 「ん・・・」
見習い「あなたのお名前は?」
Nori 「え〜」
見習い「自分の名前言えないの?」
Nori 「わかるもん」
見習い「じゃー、教えて」
Nori 「言えるもん」
見習い「あなたのお名前は?」
Nori 「・・・」

おー、苦しんでる・楽しんでる・笑ってる・悔しがってる
がんばれ、思い出すんだー、無理だと思うけど。
妹分なので、さらに暗示を追加しましょう。

3つ数える!
3つかぞえると、あなたの名前は「ダース・ベイダー」
3・2・1、あなたの名前は「ダース・ベイダー」

しかし、ここで施術者として、あるまじき行為をしてしまいました。
笑いながら、しかも腹を抱えて、声を震わせながら、暗示を与えました。
名前を変えよう、そうだ、スターウォーズ公開にかけて、「ダース・ベイダー」にしよう。
そう考えた瞬間、なぜか笑いが止まらなくなってしまいました。
なんせ、笑いながらの暗示。
しかも、名前が「ダース・ベイダー」じゃ、失敗してもいいやと言った感じでした。

見習い「あなたのお名前は?」
Nori 「・・・」

あれ、もしかしてかかってる?

見習い「あなたのお名前は?」
Nori 「私の名前、これじゃないもん!」
Nori 「私の名前、カタカナじゃないもん」

どうやら、しっかりかかっているらしい。
でも、自分の名前ではないことは判るらしい。

見習い「あなたのお名前は?」
Nori 「どうしても、これしか浮かんでこないー」
見習い「頭の中に浮かんでいる、名前を言ってみて」
Nori 「だって、ちがうもん」
見習い「いいから、言ってみて」
Nori 「ダース・ベイダー」

苦しいー・おかしすぎる〜・かかってるー
しかし、かけ方に無理があったからか、自分の名前ではないことは、感じているようだ。
なんとも、中途半端なかかりかたなんだろう。
違うとは、判ってもそれしか浮かんでこない。
う〜ん、勉強になるな。

Nori 「あんなに黒くないし、マスクもかぶってないもん」
見習い「わかった・わかった」
見習い「かわいいのにしてあげる」

3つ数えると、「レイア姫」
3・2・1

見習い「あなたのお名前は?」
Nori 「だって、名前カタカナじゃないもん」
Nori 「それに、姫なんて付かなかったもん」
見習い「あなたのお名前は?」
Nori 「う〜、違う〜」

だめだ、おかしくって、涙が止まらない。
このままだと、こっちがおかしくなりそうだ。

自分の手のひらを、じっと見て
じっと見つめて
見つめていると、自分の名前が、だんだん浮かんできます
3つ数えると、しっかり思い出す
3・2・1、しっかり思い出す

見習い「あなたのお名前は?」
Nori 「思い出した」(にこにこの笑顔)

いやー、練習になりますね。
ちょっと、無茶したけど、お互い楽しめたから・・・
名前の健忘までは、ほぼ完全に暗示が効いていました。
ところが、笑いながらの、名前の置換はちょっと失敗でしたね。

なんかおかしいぞ、こんな名前じゃないって気がつくところが、非常に興味がある反応でしたね。
だって、普通ないでしょう。
自分の名前は、これじゃないはず、なんて感覚がね。

そうそう、名前の健忘をした後の反応で、気がついたことは、(1)泣く・(2)おかしい思い出せるはずと考え込む・(3)笑う、の3タイプが今までの経験から判っています。
人によって、反応とかかり具合は、複雑なようです。

しかし、女の子に「ダース・ベイダー」は少々無理があったのかも?
今度会ったら「ヨーダ」にしてあげよう。
とっと、カタカナは、だめかな?


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