「電話で暗示」

電話越しでも暗示はかけられる。
話には聞いていましたが、やってみる日が来るとは思ってもいませんでした。

以前、ダース・ベイダーになってもらったNoriさんに、夜電話した日のことでした。
最近、夜眠れなくて不眠症気味だと言うのです。
直接会えれば、いくらでも睡眠しやすい状態にすることはできる自信はあるんだけど(Noriさんは深層催眠までよくかかるので)、と言う話になった時のことです。

そうだ電話で暗示がかけられるか、試してみる良い機会だと思いました。
かかるか判らないけど、気持ちよく眠りに入れる暗示を試してみるか尋ねたところ、ぜひやってみてほしいとの返事だったので、早速挑戦してみることにしました。
とは言ったものの、実は高速道路で車を運転しながらイヤホンマイクを使って電話をしていたので、話の途中で聞き取りずづくなったりしたいました。
こんな状況で、催眠誘導ができるのかなと不安もありましたが、失敗しても効果がないだけで、別に副作用があるわけではないのでやってみることにしました。

まずは、今被験者がいる現状を聞きます。
PHSを使って自分の部屋で電話しているそうなので、部屋を暗めにしてベッドに座ってもらいます。
それでは、いよいよ催眠誘導を始めます、なんて改めてやるほどのことではなく、普通に誘導するだけなんですけどね。
しっかりと目を開けて大きく深呼吸をしてください

と言ったところで、重大なことに気がつきました。
反応が全く読めない。(電話だから当然と言えば当然だけど)
これはもう、暗示の朗読のような感じでしたね。
一方的に話すのは、あんまりいい感じではないですね。
とりあえず、いつもと同じ手順で、誘導を進めます。

ゆっくり大きく深呼吸して、ゆっくり目をつぶって下さい
あなたの目の前に、階段が下向きに10段あります
下まで階段を降りると、深い催眠に入ります
いいですか、降りますよ
10・9・8・7・6・5・4・3・2・1
深い催眠に入りました
体の力も抜けて、とってもリラックスしてきます
体が、どんどん軽くなります
一度、目を覚ましますよ
3つ数えると目が覚めます
1・2・3、起きてー

一度起こして、様子を聞いてみることにします。
見習い「目が覚めたかな?」
Nori 「うん」
見習い「どんな感じかな、かかったかな?」
Nori 「かかったと思う、体が軽い感じ」
おー、これはかかりそうな予感が・・・

見習い「それじゃ、これから睡眠誘導します」
見習い「そのまま、ベッドに入って眠っても今日は大丈夫かな?」
Nori 「だいじょうぶ」
見習い「それじゃ始めよう」

大きく深呼吸してー
あなたの目の前に、階段が下向きに10段あります
下まで階段を降りると、深い催眠に入ります
下まで降りて、深い催眠に入ります
10・9・8・・・1

深い催眠に入りました
あなたに暗示をひとつ与えます
この電話が切れると、あなたはどうしても眠くて眠くて仕方がありません
電話を切って、ベッドの横に起きます
起きていようと思えば思うほど、眠くて仕方がありません
眠ってしまう前に、なんとか電気を消してベッドに入りましょう

ベッドに入ると、深い眠りに誘われます
私がおやすみと言って電話を切ると、深い眠りに誘われます
とても気持ちよく眠ることが出来ます
じゃ、電話を切るよ
おやすみ

思いついた暗示を言うだけ言って電話を切りました。
これはもう、明日本人に聞いてみるしかありませんね。
という訳で、次の日電話して暗示の効果があったか聞いてみました。

答えは、すごく効いたそうです。
電話が終わった後に、どうしても眠くなってすぐ眠ったそうです。
ほー、条件が悪かった割には、上手くかかりましたね。

Noriさんは、もともとかかりやすかったのと、一度催眠誘導の経験があったのが成功の理由かな。
本人の強い希望(動機付け)もあったしね。
そのうち、「眠れぬ人の睡眠術サービス」でも始めますかね。
大勢申し込みがあると、見習いが眠る時間がなくなりそうだ。
やっぱりやめとこ。


home

All Right Reserved, Copyright (c) 1999 shinichi