「頭が良くなる暗示?」

さて、試験や受験をしなくてはならない人でなくても、一度は夢に見る「頭が良くなる」暗示の依頼です。
とはいえ、「三つ数えると、あなたは頭が良くなる。3・2・1」というわけには流石にいきません。
あたりまえです。
そんなことなら、み〜んなとっくにやってます。
それでは、どうしましょう?

今回の被験者は2名で、いずれも受験生です。
まずは、一人一人の試験(模擬試験等)の様子を暗示でよみがえらせて見ます。
それから、うまく思い出せない時や緊張してしまう時を見つけ、学力ではない試験の弱点を見つけましょう。

そして、覚えやすくなるようにリラックスできる暗示、試験中にリラックスして回答できる暗示の3種類で試験突破を目指すことにしました。
二人ともそうでしたが、試験中に「できない」「わからない」「こんなはずが」というたわいもない一問から、緊張やあせりが出始めることが解りました。
どうやら2〜3問読み飛ばしていく、余裕のなさが緊張へと導いてしまうようです。

そこで、うまくいかない状態になった時をキーワードにして、暗示が発動されるように、後催眠暗示をかけました。
とはいえオールマイティーな内容は難しいので、「できない」「わからない」のではなくて「時間がかかりそうだ」だから点数の取れそうな問題から確実に解く(優先順位を変える)。
そしてその問題にを解く時には「リラックスして、問題に書かれている内容が、過去に勉強した内容を関連付けて思い出せる」という暗示をかけてみました。

ま、これだけの暗示でいったいどこまで通用するのかは、試験を受けてもらわないと解りません。
実際は、模擬試験などをやって点数が良くても悪くても、暗示の効果を計るのは難しいのですけど・・・
後は、勉強前にリラックスする暗示と試験中にもリラックスしてもらう後催眠です。

なにせ、後催眠暗示の内容が3つもあるので、どこまで暗示の効果が残っているのか難しいところです。
しかし、暗示をかけてすぐは効果てきめんで、すらすらと勉強を進めているのが解ります。

今回の二人の被験者が、どちらも被験性がとても高く、深層催眠まで入れたので、後催眠も少なくとも2週間ぐらいは続いていたのではないでしょうか。
今回の暗示で、いったい何%の点数が上がったのかは結局解りませんが、精神的に安定して勉強はできるようになったと思います。
今回の見習いの暗示では、「頭が良くなる」というよりは「リラックスできて勉強がしやすくなる」程度だったかもしれません。

やっぱり、楽して試験に受かりたいと誰もが思いますが、そんなに簡単な近道は見つからないような気がします。
でも、イメージを使った記憶法などは、一般的ですから想像を膨らませてイメージを上手に使えば、暗示でなくても上手に覚えられるのかもしれません。



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