「無力」

今回は、見習いの力のなさに、ちょっと悔しさを覚えたときのお話です。

今まで、沢山の方に被験者になっていただき、始めた頃よりは誘導や暗示が上手にはなったと思います。
昔被験者になっていただいた方で、失敗した方への再挑戦も何回となくやってはいます。
しかし、一度失敗した方への誘導は、なかなか難しいのが見習いの現状です。

先日、そんな中の一人と久々に電話する機会がありました。
体調を崩し入院中途のことでした。

何はともあれ、お見舞いへ行くことにしました。
何度かお見舞いに行ったある日、その日は体調が優れない様子でした。
のどが痛いと言っていたので、痛みを軽減できればいいねということで、再々挑戦する運びとなりました。

誘導さえうまく入れば、のどの痛みを軽くすることぐらい出来るはずと見習いもいつになく集中して誘導を始めました。
ところが、院内は以外と雑音があるのだとそのとき初めて感じました。

大部屋だったせいもありますが、館内放送、看護婦さんの検温、テレビ等、スムーズに誘導できません。
いや、本当に誘導が上手ならば施術者の言葉を選択して聞き取らせ、スムーズに催眠誘導できるのでしょう。
どちらかと言えば、見習いの方が集中力が欠けていたのかもしれません。

暗示にばかり固執して、誘導の練習や勉強をおろそかにしていたからでしょう。
まだまだです。

ラポールも動機付けも出来ているような気はするのですが、まだ足りない何かに気がつけないようです。
ほんの少しでも、痛みを和らげてあげたかった。
催眠術は、何でも出来るけど、何にも出来ない。



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